先日、3泊4日で訪れたバルト三国。
バルト…と言えば、相撲界で外国人力士として活躍し今は引退した把瑠都(バルト)さんのイメージしかなかった私。
そもそもバルト三国ってどこ?(笑)
そんなところから始まったのですが、行ってみたら思いもよらず「美食の国」!!
何を食べても当たり♡!
今回は知られざる美食の国々「バルト三国」の食にクローズアップしてみます。
バルト三国って、そもそもどこ??
バルト三国とは、バルト海に面しているエストニア、ラトビア、リトアニアの三国のこと。
18世紀までは独自の歴史を歩んできたものの、それ以降ロシアやドイツの占領を受けた歴史的背景があります。
1940年にはソビエト連邦に併合され、再び独立したのはなんと1991年!(同い年・・・!)
現在はEUに加盟しながらもロシアと政治・経済の両面で深い結びつきがあるんだそう。
言語はそれぞれ、エストニア語、ラトビア語、リトアニア語があります。
歴史上では同じ運命をたどってきた3国。食文化においても非常に似た部分がありました。
それでは早速、バルト三国の“食文化”について紹介します。
様々な国に支配されたからこそある食文化ーエストニア―
13世紀以降、デンマーク、フィンランド、ロシア、ドイツによる支配を受けたエストニア。
これらの国の食文化が入り交ざり、特にフィンランドとドイツの食文化の影響を強く受けています。
特徴はライ麦パンやソバの実、大麦(お粥やスイーツとして)、じゃがいもを主食とし、豚肉料理、ニシンをはじめとする魚、そしてコケモモなどのベリー類がよく食べられること!
↑豚バラ肉のグリル。ホースラディッシュとザワークラウト、マッシュポテトが添えられており、まさにドイツ料理の組み合わせ!!!
お肉はホロホロで脂身も意外と重たくない!
大満足の一品。
↑お友達が食べていたこちら。骨付きの豚肉がドドーンと!多分1㎏以上あります。
これに似た料理、ドイツでもよく見かけます。
付け合わせはやっぱりじゃがいもと酢漬けのキャベツ。
↑デザートで食べたこちら。大麦が粒の状態でタルトになっています。ベリー類のソースと合わせて。
この他にもジビエ料理が多くメニューにありました。季節柄でしょうが、フィンランドでもジビエが良く食べられているのでその影響もあるのでは?と思います。
エストニア料理はダイナミックな豚肉料理!といった印象を受けました。
ちなみにエストニアのおすすめレストランはこちら♡
味はもちろん◎、店内やお料理の盛りつけがおしゃれ♡!!
【 Restaurant Kaerajaan 】
素朴でエコなラトビア料理
ラトビアもまた、長年ロシアとドイツの配下にありました。その為その両国の食文化が色濃く残っています。
ラトビア人(特に地方に住む人)は自給自足の生活をしているケースが多く、都心に住む人も地産の食材をマーケットで買うようです!別荘を郊外に持ち、そこで農作物を育てる人も多いんだとか!
特徴的な主な食べ物は、ライ麦パン、豚肉、じゃがいも、ビーツのスープ、豆類、ニシン、カッテージチーズやサワークリームなど。
スパイスやハーブ、クセのある調味料などもほとんど使われていないので、とても日本人の口に合う料理だと思います。
↑ターキーのハンバーグ。ジューシーで子供も好きな味。
付け合わせはラトビア名物?な、ズィルニというベーコンと黒豆の炒め煮。とっても素朴な味。
食べた場所は【 LIDO 】というラトビア発祥のレストラン。
そこでは何種類ものラトビア料理を楽しむことができます!
バルト三国に展開されているチェーン店で、ブッフェスタイルで料理をとることができるのが楽しいポイント!
旅行先のレストランでメニューを見てもどんな料理かわからない・・・ってこと、よくありますよね。でもここなら目の前で見て選ぶことができるので安心♪
店内の写真を撮りたかったのですが、NGを言い渡されてしまいました・・・残念。
↑LIDOのイラストが可愛いビールジョッキ。ビールはとってもあっさり。ドイツビールに近い感じです。
手前の料理(ボケてる)は、マッシュポテト、ハーリング(ニシンの塩漬け)、ビーツ、キャベツなどが層になっているちらし寿司のようなサラダ!意外と美味しい♪
↑ラトビアの首都リガを離れて南へ。そこにあるルンダーレ宮殿内にはレストランやカフェが併設されており、盛りつけも素敵なラトビア料理を楽しむことができます。
こちらはハーリング(ニシン)の天ぷら!
天ぷらとメニューには書いてあったけど、実際には揚げ焼きにしたムニエルのようなお料理。
オレンジのソースが程よい甘さかつさっぱりでおいしい♡
じゃがいも!じゃがいも!じゃがいも!な、リトアニア料理
リトアニアの伝統的な料理には、大麦、ライ麦、じゃがいも、ビーツ、ベリー、きのこ、そして肉や乳製品などが主に使われています。
これらは前述したエストニアやラトビアにも共通していて、冬の寒さが厳しい国に共通するとも言えます。
短い夏に野菜を育て、夏の終わりにはきのこ狩り。秋に保存食を作り、寒く長い冬を乗り越える、そういう季節性のある暮らしが伝統的に営まれてきたみたいです。
また、ポーランドとも接しているためポーランドの食文化もやや入り混じっています。
その中でももっとも特徴的なのが、じゃがいも料理。
↑は「ツェペリナイ」という料理。リトアニアで最も有名な料理かもしれません!!
じゃがいもをマッシュポテトにしてから楕円のボール状に丸め、お湯で茹でたものです。
中にはカッテージチーズが入っているもの、ひき肉が入っているもの・・・など様々。
ベーコンと玉ねぎを炒めたものやサワークリームと合わせていただきます。
材料的にはコロッケと似ていますが、茹でられているのでとってもモチモチ!!
スーパーでは冷凍でも売られていて、現地の人にとっては日常食なんだそう。
リトアニア料理レストランに行けば必ずと言っていいほどの定番メニューです。
そしてこちらはポテトパンケーキ。
お隣国ラトビアでもよく食べられているパンケーキです。
(写真引用:http://news.livedoor.com/article/detail/13642168/)
一見普通のパンケーキなのですが、すりおろしたじゃがいもが入っているため、もちもち!
食感はお好み焼きに似ているかも。
ヨーロッパで "もちもち" 食感に出会うことはあまりないので、バルト三国(特にリトアニア)と日本の好みの食感は似ているかもしれません。
ちなみに、リトアニア名物のポテトパンケーキを食べたい場合はこちらのお店がおすすめ。
【 Gusto Blyninė 】というパンケーキ屋さん。
店内はパンケーキの装飾で(笑)とってもキュート!
甘いものだけでなくしょっぱい系はもちろん、バルト三国でよく食べられるスープ類など、メニューが豊富。私は朝ごはんをいただきに行きました。
このように、じゃがいも料理がとっても多いのがリトアニアの印象。
まとめ
何を食べても美味しく、お腹も心も大満足だったバルト三国。
豚肉やクリームを多用し、濃厚で食べ応えバッチリだけれど、
野菜や豆類などもたっぷり食べられて栄養バランスは他の欧州諸国と比較しても◎
物価が安く、レストランで食事をしてもベルギーの半額、もしくは1/3で済ませることができるのはなんとも嬉しいポイントです。
↑ラトビアの子供たちには大人気!の、kārumsというお菓子。
クリームチーズがチョコレートでコーティングされています。
1つ0.38ユーロ!安い!
そんなバルト三国、これまでの時代背景の中で様々な国に支配されてきたため、自国の文化と周辺国の文化が入り混じった特徴をもっています。
また、北ヨーロッパの土壌と気候に合わせた農業や畜産業、漁業がおこなわれ、その結果ソバの実やライ麦、豆類、じゃがいも、ビーツ、ニシン、豚肉などを主とした食材がよく食べられてきました。
3国似通った食文化があるところはチェコやハンガリー、スロバキアなどの東欧諸国同士に似た食文化があるのと同じく、互いの文化が入り混じり、他国の影響を強く受けたんだろうなあ、と。
食文化って、その土地や気候、さらには歴史背景も影響するものだから面白いですね。
反対に食文化を調べることで、その国の土地や歴史を学ぶことにもつながるのです。
今や世界各国の料理を自由に食べることができる世の中。
歴史の変遷とともに食文化も作られていくのだけれど、
自国の食文化や伝統を絶やさず後世まで引き継くこともまた大事なことだなあ、と思うのでした。
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