ボロネーゼからわかるイタリア人のこだわり


簡単だけど、ちゃんと作る。

おいしいと、栄養はどっちも叶えたい。


ずっと続く、残る。

家庭料理を、もっと楽しく。

そんな提案をします。

おうちごはん研究家 SHOKOです。


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今日は久々にイタリア料理の教室へ行ってきました。

メニューは「ボロネーゼ」です☆

日本では「ミートソースのパスタ」とも言うでしょうか。

↑みんな大好き、ミートソース(今日のものではありません)



あとで「全然今までのボロネーゼと違う!!」

と気づくのですが、それはまた後程。


“ボロネーゼ”とは、そもそもイタリアの “ボローニャ地方の” という意味。

だから


「ボロネーゼではないのよ! 本当の名前は Ragū(肉のトマト煮込み) なのよ!」


って先生はしきりにおっしゃっていました。

特に今回はタリアテッレという平たいエッグパスタ(卵と粉、塩のみで捏ねたきしめんのようなパスタ)を使用したので、正確には Tagliatelle al ragū となります。


帰ってから調べたのですが、

イタリア南部でもともと簡単な調理法しかなかったスパゲッティを、

「食の都」であるイタリア北部のボローニャに暮らす裕福層の人々が、

隣接するフランスの「ラグー(煮込み)」をベースに野菜や肉など食材を贅沢に使った料理にしたのが、この「ボロネーゼ」の起源だとか。


とにかく、日本人も大好きなこのボロネーゼを本場の人はどう作るのか興味がありました。


ragūの作り方はいたってシンプル。

お馴染みの野菜と肉を炒め、トマト缶を加えて塩・こしょう。

じっくり煮込みます。


・・・と、書けばその通りなのですが、これがまた奥深い。

野菜と言っても例えば玉ねぎ。

日本人は普通の白い玉ねぎを使いますね。

でも、赤いほうを使います。先生曰くレッドオニオンの方が甘くなるのだそう。

そしてボロネーゼに欠かせないひき肉。

日本人だったら…好みによりますが、豚ひき・牛ひき・合いびきのどれか、ですかね。

でも先生は VEAU(若い牛)とPORC(豚)の合いびきを使用。

VEAUだとやわらかく、マイルドに仕上がるとのこと。

反対に成牛だと味が濃く、肉質も硬いんだそうで、これは好みで変えるみたいです。

なるほど、牛が若いか大人かを選ぶという思考があるんですね。

ちなみに先生の娘さんはVEAUの方が好きなんですって。





このほかにも、トマト缶へのこだわり、塩へのこだわり、オリーブオイルへのこだわり、パルミジャーノ・レッジャーノへのこだわり・・・など、書きとれない・聞き取れない(英語力不足か)ほどあります。

さすが美食の国、食材へのこだわりは計り知れません。




そして、煮込む過程で私はあることをふと気づき、聞いてみました。

「ブイヨンキューブは入れるんですか?」

あとあと考えれば恥ずかしい質問だったかな・・・と思うのですが、

なんせこれを自宅でも作れるようにしないと料理教室の意味がないので(自分へのプレッシャー)疑問はなんでもぶつけます。


もちろん先生は、NO!


市販のブイヨンを買うのならそのお金で良い塩、良いオイル、良いチーズ、良い調理器具・・・などを買った方が良いのよ。とのことでした。


まさにそのとおり・・・!!!


良い素材が揃えば、市販の何が入っているかわからない(添加物も然り)魔法のような化学的おいしさのブイヨンを使わなくても、十分美味しいソースが出来上がるのです。



先ほどの食材に対するこだわりの中にも、例えばパルミジャーノ・レッジャーノ。

先生御用達のものは、イタリア産の30か月モノ。

先生は大きなチーズの塊を軽快にチーズおろし器でさらさらおろしていきます。

「より風味が増すのよ、」って

イタリア人に言われたら「うーん、なるほど!そうなんだ!」って日本人は簡単に納得しちゃうけど、イタリア人のパルミジャーノ・レッジャーノに対する熱い想いはやっぱりホンモノ。




とはいうけれどさすがに普通のスーパーには売っていないし、私にはもったいない。

だから、たとえ30か月熟成じゃなくても「塊」で買う。

塊を直前に削ることで、すでに粉状になっているパルメザンよりは風味も味も違います。



これはイタリア料理に限らず、普段の食生活にも共通する点だな、と思いました。



日本食に置き換えてみると、例えば味噌。

スーパーには手軽な値段のものから高価なものまであると思いますが、ただ高いもの=良いものとは思いこまず、地元の味噌蔵のものを買ってみる、有機のものを選んでみる、実際に味噌蔵へ行って話を聞いて買ってみる。

すこし値ははるかもしれませんが、それだけでも食材に対して知識がついて愛情が沸いて、大切に使おうという気持ちになる。

それに、そういう食材ってシンプルなのに味わい深いものが多い。

だから、きっと余計な調味料は必要なくて、そうすることで体と心に不必要なものを自然に摂らなくなる。



化学調味料や加工品にお金を費やすのではなく、丁寧に作られたシンプルなものに費やす。
良い素材で作ることが、美味しく優しい料理になり、その習慣が美しく優しい人をつくる。



今日の料理教室ではそんなことを一番教えてもらった気がします。


・・・ところで、ボロネーゼはというと・・・

タリアテッレも粉から作っていきました。手捏ねです!!



先生の慣れた手つきでどんどん捏ね上げられ、先生の嫁入り道具でもあった(♡)パスタのマシーンで麺にしていきます。





機械から麺状になったパスタを見たときの感動といったら・・・♡

茹でたら煮込んだragūsauceと絡めて盛りつけ♪


もっとひき肉たっぷりのイメージでしたが、意外とトマト感たっぷりでした!

それに、味付けはシンプルなはずなのに深くておいしい♡

手作り生パスタのモチモチ感は何とも言えないスペシャル感!

今までに食べたことのない、ボロネーゼ《Tagliatelle al ragū》でした。


料理って奥が深いなあ。

読んでくださりありがとうございました♪


SHOKO


douce

"douce"とは、フランス語で 穏やかな、優しい、心地よい、甘い、愛情のこもった、 という意味。 そんな毎日を送るためのヒントを、 食・栄養の観点から贈ります。 管理栄養士・SHOKO