【長寿国】北欧の食文化は長寿飯なのか


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おうちごはん研究家 SHOKOです。


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ベルギーの祝日があった先週末、4泊5日で北欧はノルウェー、スウェーデンへ行ってきました。


旅のメインは、ノルウェーのフィヨルドを見ること。

体全身で、壮大なフィヨルドを体感してきました。


この感動を語り始めたらきっと本題に入れない気がするので・・・それくらい、美しかった。



さて、北欧と言えば長寿大国。


世界トップである日本の平均寿命83.7歳に比べ、北欧5か国(フィンランド・ノルウェー・スウェーデン・デンマーク・アイスランド)の平均寿命は81.72歳(WHO世界保健統計2016版)で、日本よりはわずかに下回るが世界的にみれば立派な長寿大国。

(ちなみにベルギーは81.2歳、イギリスも81.2歳、アメリカは79.3歳。)


延命期間(平均寿命ー健康寿命)で見ても、8年程で日本と変わりありません。



日本の長寿の秘訣は「和食」にあるとも言われていますよね。


米などの穀類を中心とし、沢山の野菜や海藻、魚、発酵食品を食べる日本の伝統的な食文化。

これが欧米諸国からも健康食として注目を浴びて久しくありません。

無形文化遺産にも登録されましたし!



では、北欧の食文化は「長寿食」なのか???




これまでのアイスランドを除く北欧4か国で見て食べて感じたことから、北欧の食文化について迫ってみます。




管理栄養士から見た、北欧の食文化

①魚介類を良く食べる


海に囲まれた北欧。漁業が盛んで、新鮮な魚介類がたくさん市場に並びます。


魚の種類は日本ほどありませんが、レストランではサーモンや白身魚(タラ、cat fishというナマズの一種、オヒョウというカレイに似た大型魚)がメニューによくあり、市場ではエビ、ザリガニ、カニ、ロブスターなども多く見られました。



トナカイやシカ、ラムなどのジビエも良く食べられますが、レストランでシーフードメニューが豊富だったことは確か。



肉には摂りすぎると心疾患や血管疾患、糖尿病などの生活習慣病を引き起こす恐れのある飽和脂肪酸が多く含まれますが、魚にはそれを予防する効果のある不飽和脂肪酸を多く含み、白身魚においては高たんぱく・低脂肪。


北欧中で見かけるサーモンには強い抗酸化作用を持つアスタキサンチンという成分が豊富に含まれているので、「食べてアンチエイジング」が習慣的にできそうですね。



魚をよく食べることが健康に一役買っていると言えるのは、日本のそれとも通じます。



②ベリー類のフルーツを多く食べる


もともと日照時間が少なく、冬場は午後3時には日が暮れてしまう北欧。

冬の寒さは誰もが想像できると思います。

そんな環境下であるがゆえに、野菜はあまり育ちません。


しかし、ビルベリーやカシス、リンゴンベリーなどの小粒なベリー類は北欧の森に原生しており、市場に並んでいるのを見かけます。



これらのベリーはそのままケーキに使われたり、ジャムや濃縮タイプのジュースに加工されたり。

甘酸っぱく煮たジャムをトナカイなどの肉に乗せて食べるのも、北欧の食べ方です。



これらのベリー類にはアントシアニンやレスベラトロールなどのポリフェノールが豊富

強い抗酸化力を発揮し、体の老化を抑制してくれる効果があります。



③塩蔵品が多い



食料を長期保存するための手段として伝統的なのが塩蔵。


日本でも漬物や干物は昔からよく作られ、食べられてきました。

北欧でもまた然り。

スモークサーモンはその代表格でしょうか。

市場では特に魚介類の干物や塩蔵品が多くみられました。



でも塩分って摂りすぎは体に良くないんじゃないの・・・?



そう、確かに高血圧や心臓疾患などへの罹患リスクを上げてしまいます。



でも、もしかしたら日本よりは食塩摂取量が少ないかもしれません。

和食は味付けをみそ・しょうゆなど塩分の強い調味料でしたり、魚はきつめに塩を振って塩焼きにしたり、照り焼きにしたりしますよね。



でも北欧で食事して感じたことは「意外としょっぱくない」ということ。

魚はシンプルに蒸し、そこにレモンを絞ったりハーブを混ぜたさわやかでクリーミーなホワイトソースをかける食べ方が本当に多かった。


塩蔵品はあるけれど、それを日本の干物のようにメインディッシュにはしないんですね。






北欧の食文化は『長寿食』なのか?



結論から言うと、「北欧の長寿の秘訣は食文化だけじゃない」ということ。


ここまで北欧のおもな食文化を栄養士的観点から紹介してきましたが、「なるほど、健康に良さそう!」と思った方が多いはず。


確かに長寿国日本と似ている部分もあり、なおかつ減塩にもなっているので、アメリカのジャンキーな食生活とは比べ物にならないほど良いのかも。



一方で、北欧は福祉制度が整っている事でも有名。


国民の、所得に対する税金と社会保障料の割合は、日本が43.4%に対し、スウェーデンでは58.9%だといわれています。


医療費も教育費も基本は全部タダ、ノルウェーでは18歳までなら歯科治療もタダ。

高齢者福祉制度も整っていて、基本は在宅介護。


「病院や施設の寝たきり老人」はあまりいないんだとか。


こういった福祉制度が寒冷地なのに長寿な国を生み出しているといっても過言ではないかもしれません。



とはいえ、北欧の食は海の幸・山の幸を存分に味わえる、そして健康的でもある一石二鳥?なものでした。



また機会があれば訪れたい場所です♩



読んでくださりありがとうございました♪


SHOKO


douce

"douce"とは、フランス語で 穏やかな、優しい、心地よい、甘い、愛情のこもった、 という意味。 そんな毎日を送るためのヒントを、 食・栄養の観点から贈ります。 管理栄養士・SHOKO